茶道は点前や所作ができればそれで良いというものではなくて、日本の伝統、文化、芸術などなんでも知っていないといけない。覚える量が膨大すぎる。はっきり言うと日本文化丸ごとと言っても過言ではない。習い始めは知らなくても良いだろうが、これからずっと続けていくならば全ての分野の伝統芸能を学んでいきたい。
茶人たちはよく学んでなんでも知っているから茶人と呼ばれる。茶道はもはや日本人や日本国内だけのものではなく、海外の人々にも広く伝わっている。そうなると日本のことだけを勉強すれば良いということにはならない。目覚めている間も眠っている間もいつでも稽古で修行である。行住坐臥。行く、止まる(住は止まるの意)、坐る、臥す。人は四六時中何かをしていて休んでなどいない。このことをもっと意識すると日々の生活は楽しみや希望に満ちたものになるのだろう。
茶道がどういったものかをまとめているのが『茶道文化検定公式テキスト』だ。茶道が未知の領域であっても読み進められる。茶のこころ、今日に至るまでの歴史、道具や茶室の説明など一通り知ることができる。点前に関する本ではないので、お茶を習っていなくても4・3級のテキストは興味があれば楽しく読めるだろう。検定は4級から1級まであって、年に1度受けることができる。
「夏ハイカニモ涼シキヤウニ、冬ハイカニモアタヽカナルヤウニ、炭ハ湯ノワクヤウニ、茶ハ服ノヨキヤウニ、コレニテ秘事ハスミ候」
0コメント