『あれこれ考えないで、坐りなさい。』

「一息の間(いっそくのかん)」


人の命は息を吸って吐くその間にしかない。命は過去も未来も含んでいるけれど、「いま、ここ」にしかない。過去は過去であって、今を精一杯生きることが大事だという意味の禅語なのだそうだ。


今、この瞬間をただただ一生懸命に生きる。これがなかなかできない。テレビを観るなら観ることだけに集中する。友達と会話をするなら会話に専念する。ところが、携帯電話をいじりながらテレビを観たり、折角友達同士一緒にいるのにお互いあまり喋らず各々携帯電話の画面を見ている。それでは今を生きていることにはならない。


茶禅一味という言葉があるように、茶道の点前は座禅と似ている。ひたすらお茶を点てることに専念する。ひたすら座ることに専念する。たとえ何か別のことが頭をよぎってもそれはそれで深追いしなければ良い。

一息はとても短い。これまで随分と時間を弄んでしまった。それでも私は「いま、ここ」にいる。

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