入子点

掛物   松菊萬年歓  しょうぎくまんねんよろこぶ
花      萩と矢筈芒
香合   堆黒
いつもは稽古場にあるベスト型稽古着を使わせてもらっていたが、中学のときに娘が着ていた甚平があることを思い出し、今日稽古のときに羽織のほうを着てみた。勿論短パンは履かない。着物を着ているつもりで帯の位置に腰巻を巻けば袱紗を挟むこともできるし、懐に古帛紗や懐紙を入れることもできる。甚平は男の子が着るもの、甚平で祭に行くなんて!と娘に言っていた私ではあるが、先生がいいアイデアだと言ってくださったので今後はこれを稽古着にしようと思う。茶室には派手な柄ではあるけれど……。

本日もまた新しいことを習った。入子点と夢の台子薄茶点前!なんでもやってみようと先生が勧めてくださり、毎度素晴らしい経験ができる喜びを感じている。兄弟子・姉弟子のみなさんも細かな気遣いをしてくださりいろいろなことを教えてくださる。

さて、入子点とはその名の通り、茶巾、茶筅、茶杓を仕組んだ茶碗を建水(杉木地曲)の中に入れて1度に運び出す。柄杓、蓋置、棗、水指は最初から円卓に飾っておく。天板には、柄杓を合を下に向けて斜めに、蓋置を左に、棗を右に置き、地板には水指を置く。拝見がなく(本仕舞い)総飾りをするのが特徴だ。薄茶の平手前と違う部分を記しておきたい。


  • 運び出しのときの建水の持ち方は、右親指を淵に掛けて残りの指で底を持ち、左親指は胴に添え残りの指は底を持つ
  • 点前座に座ったら、建水を膝よりほんの少し前に出して勝手付に置く。棚から棗を下ろし、建水の中の茶碗を両手で取り出して左手で棗の横に並べる
  • 右手で蓋置を取り左掌で扱ってから敷板の左角に置き、柄杓の合を蓋置にあずける
  • 建水の綴目が左を向くように膝の高さまで建水を下げる
  • 茶筅通しの後茶碗の水を捨てたら、茶巾で茶碗を拭く
  • 茶巾を左掌の上でひっくり返しひとつ広げ、両角を持って広げたら2回折って角を出したままくるくると巻き、建水の上で絞る。角を摘んで広げ、いつも茶碗に茶巾を仕込むように畳んで入れる
  • 茶杓を取って、綴目を元に戻しながら建水を下げる
  • 茶杓を清めたら茶碗に乗せて帛紗を建水の上でぽんぽんと払い、腰につける
  • 棗と茶碗(三手)を水指の前に置いて本仕舞いする
  • 釜に水を注ぎ、湯返しをして柄杓を蓋置にあずける
  • 水指に蓋をしたら、柄杓の合をうつ伏せて天板の真ん中に真っ直ぐ置き、蓋置を扱ってから水指の前に置く
  • 蟹のようにひと膝右に動いて、茶碗と棗を同時に持って天板に置く
  • 袱紗を捌いて水指の蓋に置く
  • 建水を持って建付まで下がったら、建水を見えない所に置いてから礼をする


茶巾を絞る前後がいまひとつ自信がないのでまた次回の稽古で確実にしたいところだ。もたもたしていては格好が悪いし、茶巾を摘む箇所を間違えるときれいに広げられない。茶道には隙が全くないことを実感した1日だった。台子の薄茶点前については明日書こうと思う。

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