国指定重要文化財 木造達磨坐像
この達磨さんはやさしそうな表情をしている。白隠が晩年に描いた達磨図は目がぎょろりとしてどこかひょうきんに見えた。
奈良県北葛城郡王寺町に達磨寺がある。聖徳太子はひとりの飢餓に苦しむ旅人に衣服や食べ物を与えたが、翌日には亡くなってしまい、側近に旅人を厚く葬るように命じた。ところが、埋葬したはずの遺体がなくなり、聖徳太子が与えた衣服だけが残っていた。それを知った聖徳太子はあの旅人は達磨大師の化身だと思い当たり、墓を整え精舎を建立した。その後時代が経って現在の達磨寺と称されるようになった。
お盆の日の空
本堂正面
この木は樹齢年何なんだろう。くるくると髪の毛が巻かれて今から螺髪になる瞬間みたい。
聖徳太子の愛犬、雪丸
雪丸は人間の言葉が分かったようで、今際の際に遺言を残した。自分が死んだら達磨塚の北東に埋葬するように。
王寺駅の雪丸
聖徳太子と達磨大師(飢えた旅人)が歌を詠み交わした場所とされている問答石。これは達磨石。このすぐ近くに太子石もあったのに見るのを忘れた。
しな照るや片岡山の飯に飢えて臥せる旅人哀れ親なし(聖徳太子)
斑鳩や富の小川の絶えばこそわが大君の御名を忘れめ(達磨大師)
本堂の裏の楓が青々としていて清々しい。
王寺町指定文化財 木造千手観音坐像
達磨寺のサイトにここに雪丸がいると書いてあった。あ、おる、おる。観音様のお膝にのぼりたそう。
国指定重要文化財 木造聖徳太子坐像
涼しげな襖にしばし見惚れる。
本堂には私だけ。静寂。
国指定文化財 備前焼大甕
甕の中から現れたような景色
本堂は達磨寺資料展示室として開かれている。
この日はあまり時間がなくてゆっくり見ることができなかったので、日を改めてまた訪れたい。
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