筒茶碗と壺々棚

掛物  看々臘月尽  みよみよろうげつつく

干菓子  あずき煎餅

主菓子  かぶ


だんだん冬らしい季節になってきた。毎年冬は嫌いなのだが、茶道は冬が本番ということで、今年からは冬をもっと楽しみたいと思っている。体温調節に気をつけて良い冬を過ごしたい。冬の良さを見つめ直しながら。

本日の薄茶点前でははじめて筒茶碗、高麗茶碗の狂言袴を使ってお点前をした。筒茶碗を清める際の茶巾の扱い方が他の茶碗と違い、最大の見せ場となる。


①茶碗の中で人差し指と中指で茶巾をつまんでいつも通りの形に持ち替える

②「い」「り」と拭く
③茶碗の中で人差し指と中指で茶巾をつまんだまま茶碗の縁に引っ掛けて3回半拭く
④3回半目で茶巾を抜き取らずそのまま畳に茶碗を置く
⑤茶巾を抜き、左掌に茶巾を乗せて畳んで蓋置きの上に置く

「い」「り」を先に済ませるという斬新さ! また、茶碗を2回回すときなどは湯呑み茶碗を扱うように胴を持っても良いそうだ。これまた筒茶碗の面白いところ。

お茶には「祈り」があると大宗匠の本に書いてあった。茶碗を清める際の「い」と「り」、それからお茶を点てた最後に「の」の字を描きながら茶筅を引き上げる。全部合わせると「いのり」になる。たくさんの祈りと共に茶道はこれまで続いてきて、これからもたくさんの祈りが広がっていく。

薄茶点前では置炉をはじめて見た。大変便利なものだと思った。私の通っている教室の広間では、2箇所でお点前ができるようになっているため、炉だけではなく置炉も必要になる。炉のない部屋でもこれがあるとお点前がきて良い。

濃茶点前では壺々棚を使った。柄杓を荘るときは左側に立て掛け、蓋置(夜学)は柄杓の柄の右横に置く。水指に水を注ぐときは、柄杓の柄の下に蓋置を置き、水を注ぎ終わったらまた元に戻す。圓能斎好みの壺々棚は緑色をしていて壺の部分は爪紅で鮮やかだ。水指は桶側だった。四角いぐるぐるとした模様をいつまでも眺めていたくなる。

濃茶点前の後半の手順がまだ正確に覚えきれていないので来週までにしっかりと頭に入れたい。炉での柄杓の扱いにあやふやな部分があったが、先生にきっちりご指導いただけたのでもう迷うことなくできそうだ。水をすくう前の柄杓の持ち方がこれまでできていなかった。炉のときは、前にそっと突くように持ち上げるときれいに見える。


師走の別名は臘月という。あれよあれよという間に今年も終わってしまう。だからじっくりとその日その日を良く見なさい。そういった意味なんだそうだ。


利休梅文

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