『茶の湯の銘 季節のことば』

季節の言葉に疎くてはお茶はやっていけないので、淡交社の『茶の湯の銘 季節のことば』を購入して、秋の章から読んでいる。秋は成熟した豊かな季節ということもあり、他の季節よりも言葉が多い。月の異称「嫦娥(こうが/じょうが)」という言葉をはじめて知った。「中国古代の伝説上の人物」で月に住む仙女なんだそうだ。玄月、詠月、小田刈月、菊咲月、色取月、竹酔月、寝覚月……。9月の異名がこんなにたくさんあることも知らなかった。色取月はいつか何かの折に使ってみたい。
夏のように暑い午後、散歩の途中に空を見上げると鳥が群れをなして飛んでいた。鳥たちを一本の線で繋ぐと平茶碗に見えた。

秋高し、天高し、秋天。まさに今日の空のよう。

茶の湯では登場しない花のひとつ、彼岸花にも数多く別名があるそうで、その中に「葉見ず花見ず」がある。秋の彼岸花には葉が1枚もないなく、真っ直ぐに伸びた太めの茎に炎のよう花が鮮やかに咲く。ところが花が枯れて冬になると細長い葉がわさわさと繁る。春になると葉は枯れて、9月になると花茎が伸びて再び真っ赤な花が咲く。

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