風炉薄茶運び点前と薄茶点前棚(丸卓)

床の掛物は「一条緑水繞青山(いちじょうりょくすいせいざんをめぐる)」とあり、辺り一面に緑が広がっている光景が浮かぶ。8月の終わりに過ぎ去った夏の日々が甦る。青山というと「人間到る処青山あり(じんかんいたるところせいざんあり)」という言葉を思い出す。どこへでも行って思い切ったことをしてみろと背中を押してくれる。一生に一度は本当に思い切ったことをしてみたい。花は木槿と萩。萩の葉っぱの形が私は好き。修道を続ける上では和歌も知らないと話にならないが、学校で少し習っただけでそれ以降は全く触れてこなかった。萩は和歌によく歌われているように思う。何ひとつ思い出せないけれど。


前回は薄茶運び点前の拝見なしをしたので、昨日は拝見に出す稽古もした。前回から昨日の稽古まで2週間と少し間が空いていたため家で復習をしていたが、昨日の稽古で改めてまだ自分ができないことが明確になった。気を配ることを怠ると全てが台無しになってしまうと痛感した。まだ3回目、されど3回目。自宅稽古にもっと集中力が必要だ。


先生にご指摘いただいた点

  • 茶筅通しの際、持ち上げた茶筅を一度止めてから下ろす
  • 抹茶を掬う際、真ん中を掬わない
  • 釜から柄杓を掬い上げる際の角度
  • 湯を汲む際は釜の底に柄杓が当たらない程度にどっぷりと潜らせる
  • 棗や茶杓を持って客付きにまわる際、着物を着ているつもりで右手を右膝に置く
  • 拝見物を取りに出る時と持ってさがる時の足運び

平点前は今後の点前をするにあたって基本となるもので、手順を覚えたところで本当に身につくのはずっと後の話。毎日毎日繰り返し練習するのみ。


先輩方は棚を使った点前をされていて、先生が私にも棚をやってみたらと仰り、私は少し躊躇ったが折角なので挑戦することにした。棚は宗旦好みの丸卓だった。湯返し、水次のあつかい方、拝見物のあつかい方(持ってさがる時)など新しく習った。いつも家にある物を茶道具に見立てているが、これからは棚は椅子、水次は薬缶と増やすことになる。いつか実家の祖母の茶道具を譲り受けることができたらいいと思う。

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